エフォートレスマスタリー/ケニーワーナー著

コラム

今日は、自分の音楽にひどくコンプレックスを持っている人にオススメな本を紹介します。

「エフォートレスマスタリー/ケニーワーナー著」

 

コンプレックスは一度身についてしまうと解放するのがむずかしいですね。

一人の時はいい感じで演奏できるのに人が見ていると体が震えてしまってうまく演奏できない。

アマチュアなら経験も少ないしこの話は理解できるけど、プロがガチガチになるって。

でもこれは本当の話で、メンタルトレーナーをつけてトレーニングしているピアニストや心療内科で薬をもらって本番に臨んでいる人もいるくらい。

実は私も一度だけ薬に頼ったことがありまして。絶対に失敗できないような大きなホールだったので・・ステージに立つと、ひそひそ声や客席の大きさに圧倒されてしまい演奏に集中できないのが悪い癖。

 

その結果は?・・・

不思議と緊張しなかったけれども心地よい達成感も感動もなかった。

気持ちがフラットの状態ですね。良いといいえばいいのかな?

いや、良くないですね。音楽は感動したり、落胆したり、感情が動くものです。

なのでそれが最初で最後。

 

しかし人によって、全く薬が効かなかったり、体がだるくなったり眠くなったりするそうなので注意が必要ですね。

この本と薬は全然関係ありませんのでここまでにします。

本題はなぜ大好きな音楽なのにうまく弾けないと思う人が多いのでしょうか?大好きなのになぜコンプレックスを持ってしまうのでしょうか?

 

たった一度のミスで「才能がない」

少しでも失敗すると才能がないと落ち込み、自分の音楽に価値はないと思ってしまう。

そんなふうに思っている人は読んでみてください。

 

音楽を始めた頃はみんな、うまく演奏しなければなんて思ったことはないはずです。楽しくてしょうがない。コンプレックスなんか感じることはまるでなくて、夜中まで練習したものでした。

この本の中でもケニーの4歳の娘さんについて触れています。

「彼女は自分はピアニストだと思っていなし、うまく弾こうなんて気持ちはさらさらない。ただ楽しんで弾いているだけ」

楽しむってこういうことなんでしょうね。

それじゃ、私たちはいつの時から人と比べ、失敗することを恐れ、ミスをしたらそれが今の自分の音楽だと思い込むようになったのでしょうか。

それでもなぜ音楽をやめないのか。やめる勇気さえなく恐れながら演奏することを選ぶのでしょうか。

 

「エフォートレスマスタリー/ケニーワーナー著」

 

ピアノ以外の音楽家が読んでもOKです。

340ページほどで厚い本ですが、読みやすいし共感できることがたくさん書いてあります。

ちなみに「effortless」とは?

気楽、ぬけ感、気取らないスタイル、軽々とやってのけるなどの意味です。

もちろん「怠けててもうまく演奏できる練習法」ではありません。

あくまで「不安を取り除いて演奏する」といったところでしょう。

 

音楽をやる人ならこう思ったことってありませんか?

「素晴らしいステージを見て感動したけど、辛くなった。自分なんかなんでもない凡人だ。これから毎日8時間練習しよう」

 

本来音楽って楽しいものですよね。

みんながそう思ってるはずなのに、自分の音楽に自身が持てない人がなんと多いことか。

下手な演奏をしたらどうなるんだろう。

ミスをするということが、「死」を意識するくらいのマイナスの感情と結びついてしまいますね。

私自身はそこまで思いませんが、そんな思いを抱えてる人は身近にたくさんいます。

 

クラシック演奏家の闇

 

うまく演奏することよりも楽しく演奏するのが大事なのに、自分の演奏力は自分が生きてる価値とさえ思ってしまう。

クラシックの演奏家に多いような気がしますがどうでしょうか?

この本の中に、クラシック演奏家に即興演奏をさせると、まるで崖から突き落とされたような感情になる。

クラシックの演奏家ってこうかもしれない、という文言がよく出てきています。

華やかな世界の心の闇みたいなものについて触れています。確かクラシック演奏家はほぼ病んでいるみたいなことも書いてあったような・・

ケニーワーナーさんは現在ピアニストで作曲家です。

 

ケニーワーナーのワークショップの様子

ジャズを弾いてます。

 

 

「うまく弾かなければ」から解放

ケニーワーナー自身も上手にピアノを弾かなければ・・と思っていたそう。そんな彼がどんなふうに変わっていったのかも興味深いですね。

どの章を読んでもドストライクで音楽家が抱えている悩みがたくさん書いています。

 

またコンサートなどの演奏会を観てこう思ったことはないですか?

技術的な腕はあるのに全く感動しない演奏だな。

何故でしょうね?

ケニーさんは最も大切なことは「有機的な演奏をすることだ」と言ってます。

この言葉をどう解釈するか?

私もまだ考え中です。

深く読んでみると答えが見つかるかもしれません。

 

自分自身が本当に好きなものを心から楽しめるように力をくれる。

音楽にコンプレックスがあり心から楽しめない人は必読です。

ページ数が多いですがヒントになるし、むずかしい文章ではないのでストレスはないです。私も「ウンウン、そうだよな」と思いながらいろんな章を読み返してるところです。

 

 

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