今日はシンプルなアドリブがテーマ。
メロディーフェイク。
どんなに難しい知識を知っていても、これができなくては、ジャズのアドリブは難しいです。
弾いている人を見てると簡単そうなフレーズ。何を意識して弾いているんだろう。ピンとこないという人は見てください。
何より私が自身、あまりに無知のまま始めたジャズ。なんとなく形になったのは最近の話です。このブログは自分の経験史。まだまだ発展途上。
今回はジェロームカーンの【All the things you are】を取り上げました。
シンプルなアドリブ例2つと、楽譜付き。
フレーズが思いつかない人は、普段の練習に使ったり、アレンジしてみたり。気に入ってくれたら、セッションで演奏OKです。
今回伝えたいのは、
アドリブは複雑なフレーズを弾かなくて良い。
ジャズ初心者はメロディーからあまり離れない。
とにかくリズム。
この3つです。
アドリブはどうしても何か難しいことをしなくては・・と考えがちなのですが、動きすぎると、どこを弾いているのか見失うリスク。それと動きすぎは案外かっこう悪い。
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All the things you are。
古いラブソング。日本語訳では「君は我がすべて」
ん?なんかぎこちない。
「あなたがすべて」じゃなかったんだ・・
メロディーフェイク、どの程度変えればいいの?
【フェイク】ウイキペディアから引用
原曲のメロディを、即興的に少し変えて歌ったり演奏することを指す(英語:improvisation)。大幅に自由に変える場合はアドリブ。
料理に例えてみると、普通の卵焼きではなく、チーズ入り卵焼き、夏に食べる冷たい素麺でなくツナとトマトのサラダ風そうめん。
いつもの料理にちょっとだけアレンジ。
歌で例えると、鼻歌で好きな歌をお風呂の中で歌う。
好きなリズムで、少しだけアレンジして歌ったり、うねったり、盛り上げたり、感情込めたり。単にそっくりそのまま真似して歌うのではなく、自分のリズム、音量、感情で歌うことに似ています。
なので、単なるモノマネではありません。そこには自分のアレンジが少しだけある。それがフェイク。
自分の意志で、気持ちよく、アレンジするのが楽しい。自分のメロディーがサラサラっと出てきて、それをフレーズにする。まずは、少しだけメロディーを変えて弾いてみましょう。複雑なことをしなくて大丈夫です。
All the things you areのアドリブ
今回はメロディーを重視したアドリブ例2つを弾いてみました。
1はフェイク。
2は限りなくメロディーに近いアドリブ。
手書きの楽譜↓
ジャズを始めたばかりの人は、この曲は難しいかもしれませんが、テーマだけの練習もGood.
フェイクやアドリブは、フレーズを弾くことだけ考えず、休符を入れたり、シンコペーションにしてみたり、隣の音をうまく使って弾いてみることです。
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左手はお決まりのレッドガーランド風アンティシペーションにしました。
複雑なことは何もしていないけど、ジャズの要素は盛りだくさん。それと左手は全音符で伸ばしてると、ついバッキングがしたくなる、、でもガマン。
全音符で問題なし。
たまに聞こえてくるこんな声をおしえてあげましょう。「ピアノのバッキングがうるさい、頼むから全音符で伸ばしててくれ〜」
という、裏話。うるさいのは自覚あります。
一人練習の時はいいけど、アンサンブルでは、バッキングについてのピアニストへ要望多数です。(被害妄想でバッキングが罰金と聞こえる・・)
自分の録音を見返したら16分音符はひとつも出てきませんでした。あっさりしすぎ?好みにもよるけど、私は普段からあまり、音を詰め込まない練習をしています。それで、かっこいい音や和音の組み合わせはどこかな?ということを重視。
中でも一番肝になっているのは、「リズム」です。
今回弾いた All the things you are は、左手が全音符なので、右手メロディでリズムを取りました。が、意識しすぎたせいかハネすぎ・・(反省)
この曲は、難しい方だと思います。フラット系なのに途中でシャープ系になる所。調性がイマイチわかりにくい。
難しいフレーズを弾かなければならないのは呪縛
アドリブが出来ないと嘆いている人のほとんどは、難しいフレーズを弾かなければならないと、思い込んでいます。
そうではありません。
メロディーを少しだけいじってみる程度。練習もそこから始めてみるといいですね。
これがジャズインプロビゼーションの日々の練習法。
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元SMAPの中居さんは、司会の前に、おしゃべりをシュミレーションしているそう。確か、ダウンタウンの松ちゃんも、同じようなことを言ってました。
思いつきで、おしゃべりしている印象だけど、相手に即興的に話題をふっているわけではないんですね。
まったく、ジャズも同じです。
とにかく難しいジャズのリズム
むずかしい・・・
リズムが取れていないことに、気づいていない人も多数です。取れているフリをしている人も多い(笑)
家では、結構ジャズを聴いてる、という人も、リズムは取れていないこともあります。
永遠の課題。もちろん私もまだまだ勉強で課題。
外国人とバックボーンが違うから。ということで、自分や他人のジャズフィーリングを許してしまう人もいますが、私はリズム第一。
細かすぎる指摘、ジャズのリズム
前回のスパルタに続き、えりか先生の【細かすぎる指摘】どうしても放っておけないんです。リズムがまずい人。昔の自分を見てるみたい。
リズムの取り方、感じ方、位置で全然音楽が変わってくるから聴いてみて。
All the things you are【テーマ8小節部分をアドリブ】
1、2、3、4クリック音に合わせると。これはないな。こういう人いますか?(はい、ジャズ1年生の頃の私です)
恐ろしい〜 それならテーマだけ弾く方がまだマシ。
他のフレーズがイケてても1、2つでもこのようなフレーズが出てきたら終わり。穴があったら入りたい。
こういう弾き方をする人は、1拍と3拍目で捉えています。なので無理矢理でも2、4の裏でクリック音を鳴らして練習してください。
今までいかに、1、3拍で弾いていたのかがわかるでしょう。2、4の裏拍というリズム感は持っていないです。このまま練習を続けても、2、4拍の感覚は作られることはありません。
次は反省の意味を込めて、右手はシンコペーションのリズムを所々に入れました。左手はいつものレッドガーランド風アンティシペーション。だいぶ変わってきた。1、2、3、4で数えて弾くけどカッコよくなるかな?これは、レッドガーランドに助けられてます。左手の位置で10倍はカッコよくなる。
2.4拍のクリック音で、リズムを超意識すると、ジャズの雰囲気ムンムン。
リズムってとても大事なんです。細かすぎる指摘。ここが難しいから、つい理論に走ってしまう。気持ちはよくわかりますが。
例えば危険な道はどこかな?探検する中で、体感覚で覚えていくように。とにかく経験。
ジャズのリズムは経験を経たのち、体感覚になる。
【細かすぎる指摘】おまけ
どんなに洒落たスケールを知っていても、コードが弾けても、リズムを無視するとジャズの雰囲気はまるでありません。スケールをどんなに練習しても、リズムを意識しなければ、ずっとこのまま・・
う〜ん、頑張ってるのに微妙だと思いませんか?
ということで、右手のアドリブは難しい内容をしなくても良いので、とにかくリズムをカッコよく!まあ、私たち日本人が一番苦労する所なのですが。
たくさんジャズを聴いて、クールに弾きましょう。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
■番外編
このおじさんのAll the things you areを見てください。違う音をちょろちょろっと弾いてるのですが、なぜかハートが感じられる。
いつから私達は「あーでなくては、こーでなくては」と余計なところにエネルギーを注ぐようになったのでしょうね。それに一生懸命やってるのに大した上達もしない。
私はいつも「ここはこうで」と偉そうに言ってますが。大好きな曲は、自然とハートが感じられる。心で何かを感じながら演奏している姿に、打たれるものです。
重たい荷物を下ろして、大好きな音楽を聴くことが何より大切です。そんなので一日過ごすのは、とても素敵なこと。
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