すっかり暖かくなりましたね。桜も満開でしょう。といっても、北海道で桜が見れるのは、もう少し先。(たまに氷点下になります)
函館は南にあるので比較的早めに咲きます。
そして花粉症の人は大変な季節・・私はよもぎに反応。散歩の時は要注意です。
さて先日、私が運営するピアノスクールの発表会でした。一応リハもしたけど、みなさんガチガチ緊張です。緊張するのは当たり前のことですから、小心者・・などと落ち込まないで。
今回は、野球の話題で持ち切りだった数週間、気持ちが冷めないうちにスポーツをヒントに、音楽の話をしていきます。
メンタル面、芸術面、練習法。
音楽とスポーツは似ている部分がたくさんです。
何もない時にこんな話をしても、無理矢理感がすごくなってしまうから。せめて日本の野球熱が冷めないうちにお話ししたいと思います。
Erika piano schoolの発表会でした♫みんなリハーサルからちょっと緊張気味😅終われば笑顔です🥰そして明日はレッスンだよ~とにかく弾き続ける💪#ピアノ #piano pic.twitter.com/wBRDhJ7k1f
— ERIKA ASAI (@erika_feel) March 21, 2023
完璧は必要ない
発表会は一つの出来事に思うかもしれないけれど。
一曲をどんな感じに仕上げるのかをイメージし、譜読みはどのくらいまでにし、両手はいつまで弾けるようにするのか、暗譜に入り最終的にはどう弾きたいのかを考えるまで、そのプロセスが超重要。
舞台でどうパフォーマンスするのかが大事のようだけど、結局は練習の過程が大切です。
なので、発表会は成長のチャンス。今レッスンをお休みしている人も、発表会の経験がない人も、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
私は堅苦しいのが本当に苦手なので、基本的に弾きたい曲は生徒が自由に決めてOK。
生徒さんに任せています。
そうすると、まるで実力とは見当違いの選曲をしてきたり。でもそれも自分を知るきっかけです。無駄なことなんて一つもありません。
これを弾くために、何を練習すれば良いのかな?
私は答えを言わずにヒントだけを与えます。
そうすると、低学年であろうが大人であろうが一生懸命考えるんです。
講師演奏もプログラムの中に入れています。こちらもむずかしいものではなく、その音楽を聞くと笑顔になれるもの、音楽っていいなと思えるような曲を選曲しています。
私はソロですが、もう一組は連弾です。
生徒さんの層にもよるけれど、自然と耳を傾けたくなるような、記憶に残るような曲を弾くようにしています。私のオンステージではなく、音楽が主役。
そしてステージにはハプニングがつきもの。
よその生徒さんの話ですが、あまりの緊張で記憶が飛んでしまい、本番では先生が隣について、まるでレッスンのように弾いていた光景もありました。
これも一つの思い出です。
過去には、会場に着いたや否や、机に顔を突っ伏せたまま演奏順が回ってきても、結局顔を上げることなく弾けなかった子もいました。これは私の生徒です。
しかし今ではどこ吹く風。ステージでは元気に弾いていました。もう大丈夫。
ステージに立つと、体がぎこちなくなったり、息がしにくくなったり。思うように体が動いてくれません。
でも「回数重ねるごとに慣れるよ」といったら乱暴すぎるかもしれないけど、立ち向かっていける人間のパワーはすごいな、といつも思います。
私の出番は、休憩中のBGMピアノソロ。CD音源でなく生演奏がいいでしょ?
会場が緊張感いっぱいの中、少しでもリラックスしてほしいからみんなが知っている曲を中心に弾きました。たまには、こんなのも弾くんですよ♪
与えられた時間は10分間。さあ、きれいに収まるかな?(プログラムの進み具合で15分や12、3分でお願いということも・・色々なことが求められます)
「隣の家から聞こえる日曜午後のピアノ」のイメージで。
- 愛のしるし
- 可愛くてごめん
- パーミッショントゥラブ
はい、時間は9分50秒。ストップウオッチなしで仕上げました。終わってはけるまで10秒でピッタリ!
こういうことも出来ないとね。
スポーツとピアノは似ている
韓国と日本の試合で、私は回転寿司に行きました。(空腹に勝てない)そうしたらなんと、お客は私一人。
今話題の、いたずらにも程がすぎる迷惑系の人がいなかったので安心して食べていましたが、みんな野球を見ていたんですね^^(当たり前)
もちろん帰ってすぐ観ました。ロウキと、ミヤギが可愛すぎる 💕 でもそこばかり観ていた訳ではないです。二十歳そこそこ、ヤング達の度胸がすごい!どういう家庭で育ったんだろう。
さて、世界中の野球小僧は感動でいっぱいになり、将来の夢は野球選手という子が増えるのでは?栗山監督も「野球かっこいい!」と言っていましたね。
サイコー!カッコイイ!
この言葉しか出てこない。本当に心で感じたものは、言葉で言えないものです。
体が震えるほど、「カッコイイ!大好きだ!」と思う。
そう思えたなら、何があっても頑張れる、少々の困難を乗り越えていける。
ハートを支配する気持ちが大きければ、立ち上がることができる。
乗り越えるのは自分です。
これからスポーツ界は、特にキッズたちの思いが盛り上がることを期待しています。
音楽も全く同じことが言えて、「感動」がなければ、育つ種はとても弱い。
教育という栄養を与えても、元気には育ちません。
感動の言葉はその人によって、髪の毛が逆立つ。背中がゾクゾクする。一瞬、渦の中に入ったような感じになる。色が見える、見えなくなるなど。
いろんな表現をします。みなさんも、今まで感動したこと、思い出してみてください。
実は、教えている中で時々思うことがあります。
それはまさに、音楽を観たり聴いたりして、震えるほど「感動」したことあるのかな?
ということ。
曲への思いやテンプレートはあるけれど、どうも心と繋がっていない。
こんなふうに弾けたら。。とテンプレートだけが頭の中にチラついているような印象です。
ピアノ教育の問題
この前、ジャズを教えている先生との話で、ピアノ教育に問題があるよねと話してました。
音楽がめちゃくちゃ楽しい、〇〇のピアノの音が好き。ご機嫌のフィーリング気持ち良い。
これがスタート地点。そこにはレベルや、技術、知識の話はひとつもない。
これが音楽の根本です。
この地点がある人は、絶対にできるようになります。ところがこの大切な地点がない人がけっこう多い。
スティーブ・ジョブスがプレゼンで言っていたドッツ。小さな経験が結び合わさり創られる。
とにかくいろんなところに点を打つ。
将来これが役に立つなんて考えなくも良いです。自然に好きに弾いていれば良い。
ホリエモンさんの言葉から引用〜ドッツとドッツを結ぶために何をすれば良いのか?など考えるな。点と点の間は、山のような変数の解。これを解くのは無理。よって最短距離で目標地点には行けない
スタート地点はハノンを巧みに弾くことではないのです。
気持ち、ハート。栗山監督が連発して言っていた「感動」
創造力をつぶしてしまう一方的な教育が問題かな。相手の感性を無視してはダメです。怯えながら弾いていたという人がなんと多いことか。
何にも知らない子供の頃に、ガッチガチの教育をしたら、子供や親御さんは信じてしまうのは当たり前です。
その結果、自分で考えられない人間になってしまった、ということです。もちろん、ドッツを作る暇もなく。
・・・・・・・・・・・・・
では子供のためには何をすれば良い?(大人ももちろん)
発表会もそうだし、ミッキーやミニーが演奏するステージ、劇団四季など、いろんな舞台をみせてあげてください。練習以外の経験が音楽性を高めるドッツです。
でも、出かけるのがとにかくたいぎ・・・(たいぎは標準語ですか?)
けれども、ちゃんと子供は体感すると思います。なので面倒がらずにコンサートへ行きましょう。
そしてお父さん、お母さん自身が音楽を楽しんでください。そうでなければ、子供はピアノを習わされた、親の思いを押し付けられた、と考えるようになります。
ちなみに私は子供の頃からコンサートを観たり、CDを探しに両親に付き合ってもらったり、弾けないような楽譜もたくさん買ってもらいました。
譜読みが大変な楽譜はCDも一緒に買った記憶があります。
なのでこの辺は耳が育つドッツですね。親も音楽教育のためとは全く思っていなかったようで、これもホリエモンが言っていた、「ドッツを結ぶために何をすれば良いのか?」を考えるな。
まさに的を得た行動です。
自分で問いを見つける
吉井理人さんの「最高のコーチはおしえない」という本がとても参考になります。
私は、もともとスポーツとピアノはとても似ていると思っているので、スポーツ選手のメンタル面や、コーチの考えにとても興味があります。選手の力を最大限に引き出す。選手に指示や命令をするのはとてもネガティブ。
今現在、子育て中の方にも参考になる本だと思います。とにかく、教える側、教わる側の信頼関係が深くならなければ、成長できません。
生徒さんが自ら修正していこうとする力、今抱えている課題はなんだろう。常に自分で問いを見つけられるように、「教えない」やり方で、接するようにしています。
と言っても私がやっている即興の分野はそもそも答えがないので・・
私のデモンストレーションで生徒さん自身が「どう問いを作るのか」
常に自分で考えて、音楽と向き合ってほしいなと思っています。
・・・・・・・・・・・・・
私はひねくれ者だったのか、教えられるのが嫌い。ちょっと自分を擁護するなら吉井さんの考えがしっくりきます
「指示や命令されるのが嫌い」
でもそれは裏を返して言えば、「自分はこう弾きたい」というものがあったということ。
自分はこういう音楽で弾きたいというのが、いかに将来につながってくるかを、私自身十分に知っているから、生徒さんにも色々悩み、楽しみ、感動して自分の音を作っていってほしいと思っています。
心に響く音を作るために
有名なピアニストの演奏でも、16分音符に定規を当てたらまるで均等になるようなフレーズ。私は好みません。ストーリーが全く浮かばない。
日本人は極めて整ったもの、派手なもの。そしてもっとも私が嫌いな有名なものが好き。まるで下品じゃないですか。
心の底から、楽しく歌えるような音が好き。地味でも下手でも全然良い。
心地よいシンプルなメロディひとつあればそれで十分。そんな質素なメロディでも、昔を懐かしむメロディーだったり。情景を思いだすフレーズだったりするから。
野球の話に戻りますが、決勝ではまるで誰かが脚本を書いたような舞台劇でしたね。栗山監督は野球はある意味「showだ」と、インタビューで答えていました。
試合後も選手達の表情は一生忘れないと言っていました。
本当に音楽も同じで、ストーリーがあったり、情景が思い浮かぶような演奏は心に残ります。そしてピアニストの息づかいや表情はとても印象深い。
なので、自分が好きなジャンルのコンサートやライブにたくさん出かけてくださいね。何より、生の音を聞くのがハートには一番良いのです。
演者が放つオーラはオーディエンスに一生モノの記憶をもたらします。365日、真面目に練習するより、たった一回のコンサートは自分を変えてくれる。
ということで今回は野球のパワーと共にお話をしてきました。
人間が持っている力は本当にすごいんです。周りのすごい人をたくさん見てきたので。でもこういう人達は最初からすごかったわけではないんですよ。回り道をして、たくさん遊んだ結果なのです。
ピアノで遊ぶってピンとこないですか?
遠回りをしていろんな景色を見るということです。
寄り道してたくさんの遊びをしてきてください。
それが点を打つということです。
ではまた次回!
イチローさんの言葉

近日、モチーフ即興のアイディアを発信します。またネオソウルもジャズもたくさんやりたい!お楽しみに^^
