今回は「ジャズのセンスをつけるにはどうすればいい?」がテーマ。
対象者は
- これからジャズを始めたい
- クラシックピアノ、またはエレクトーンの経験しかない
- カッコよくジャズが弾けない
ジャズのアドリブはゼロから自分で考えて弾くのはキツいです。その上、センスが全くないというハンディキャップ。
ジャズのセンスはどのように身につけるのでしょうか。
粋な技や練習方法を紹介します。
ブログの内容
- 前半〜センスの身につけ方
- 後半〜実践

前半はどのように音楽センスが作られていくのか?
後半はオシャレな弾き方.。
「実践!」
「Feel like makin’ love」というブラック系のナンバーをご存知ですか?
今回はこの曲のコードを使い、小洒落た感じに仕上げてみましょう。
内容は、
- ぺンタトニックスケール
- トゥファイブワン進行
- オーガニックな16ビート
自己流でなんとなく弾くのはナンセンス。また、たくさんのことを取り入れた割に、ごちゃごちゃしてわからなくなった・・
かっこいいアドリブは案外シンプルです。
アドリブは、高度な内容を弾くだけでは失敗します。
センスがいいアドリブ練習法は?
- シンプルを意識
- リズムをバッチリ決める
- 1オクターブで練習

1オクターブだけで弾くって?

範囲を狭くして深く学ぶやり方です
では前半のお話に入ります。
「音楽的センス」の話と「情報過多」の問題について。
すぐに練習したい人は、実践に進んでください。
ジャズセンスはどこから来る?
自分は音楽のセンスがない。。
こう思っている人がとても多いですが、原因のほとんどは「経験の少なさ」です。なので心配する必要はありません。
もしもこのような人がいたら、センスがいいなと思いますか?
- 抜きん出た技術
- 別格なアドリブ力
- なんでもすぐに理解してサラッと弾く
私は、センスではないと思ってます。
では、答えは?
- 才能は後付け。練習量がハンパないから。
- ジャズをたくさん聴いてコピーしたから。
- 深く学んだ結果、引き出しがたくさんあるから。
という、なんとも当たり前の答えでした。
情報過多では何を選択して良いのかわかりません。情報だけに敏感だと、せっかく持っている可能性を見過ごしてしまうかも。
理由は?

情報ではなく、とにかく体験! インプットしたらアウトプットしてください。
次の章では、センス磨きの弊害「情報過多」についてお話しします。
「情報過多の世の中」何を選べばいい?
「ジャズピアノを弾いてみたいな」
ネットで検索してみると、たくさんヒットします。そこで皆さんは「これから何を練習すれば良いのかな」と迷ったことはありませんか?
情報を載せているのは、ジャズピアニストや講師、ジャズ研究家などです。
「ジャズピアノを弾くならこれを練習すればよい」
とそれぞれの人が別のことを言っています。もちろん、私も別のピアニストとは違うことを発信してると思います。
専門家はみんな違うことを言う
ある人はスケールだ。
ある人はテンションコードだ。
ある人はアドリブが出来なくては成立しない。
とみんなそれぞれに重要度が違います。
実は私が日々感じていることがあります。それは情報をよく仕入れ、知識もあるのに身になっていない人がたくさんいるな・・と。
情報がありふれている世の中、重要なことを厳選するのは大変です。
結局、ネットを徘徊して終わり・・なんてことにならないようにしたいですね。
うろうろしてる時は楽しいのですが、のちに後悔・・
私の発信も自分の経験から得たものです。
この経験についてのお話は、次の章で詳しくまとめてます。
私たちは経験をもとに話してるだけ
私たちは長い音楽生活の中で、ピンときた音楽、感動した音楽、その重要性など、自分の経験をもとに話しています。
それは人それぞれで、価値観が違います。もっと言えば、正解を話しているわけではありません。
例えば、私の話で例えます。
クラシック弾きだった私がジャズを弾き始めた時の衝撃。なんとも言えない不安定なテンションコード、楽譜なしで弾くアドリブ、そしてうねったようなリズム。
かっこいいな〜
うねりのような、ふわふわしてるような、それでいてキチンと刻んでいる。
とにかく一瞬で音楽の虜にしてしまうジャズ特有のSwingのリズムに惹かれました。
市販されている楽譜を弾いても、ジャズにならないことを知り、レッスンを受けることに。
毎回「リズムと、トゥーファイブ」について習い、その重要性は今に至ります。
もちろんスケールやコードについても勉強してアドリブにも取り入れました。

しかし、「ジャズのリズム」はハイパー難しく、これが出来なければジャズに聴こえないという壁にぶつかり、それは3年間にも及んだ・・
しかし、練習を積んでいくと呼吸をするように気持ちよく弾けるようになったと同時に、アドリブがスムーズになり、ファンクやネオソウルも少しずつ形になっていったのです。
全てはリズムがイマイチだとジャズはダメなんだな・・との思いから。
リズムの感覚をつけるのに、聴いた音楽はブラック系や若いジャズピアニストなど。よってこれを聴いてみるといいよ、と紹介する音楽もブラック系です。
ジャズに関してみんな違うことを言うのはこの為。正解というよりかは自分の経験を話してるだけです。
経験値で重要度も変わってきます。

このブログを見ている人で、ジャズを弾きたい人へ。
「この人のジャズの感覚と自分のやりたい路線は一緒かな?」というアンテナを張って読みすすめてください。
ジャズレッスンをこれから受けようか考え中の人は、やりたい路線や好み、モダンジャズなのか、新しいものなのか、セッションに参加できるくらいの腕前になりたい、配信したい、バンドを組みたい、ひっそり弾くだけで十分、など講師に要望を伝えると良いです。
今の時代、演奏をネットにあげているピアニストがほとんど。講師のレベルも気になるでしょう。
習う側と教える側の嗜好が一致するのが大切です。そのほうが生徒さんの音楽力は向上します。
情報ではなく、体に染み込ませることが鍵
どの情報を選択すれば、スムーズにジャズが学べるのかを判断するのは難しいこと。
毎日、ネットを徘徊しているだけでわかった気になっている人は危険かな。
このような人に、話を聞いてみると、知識はあるけど鍵盤では弾けないというのが現実です。
結論から言って大切なことは、実践。
これかっこいいから弾いてみよう。
でもなんか変な和音・・
なんでもない日頃の練習は、とてつもなく大きな力となります。
かっこいい音が見つからなくても、ああでもない、こうでもないという答えのない練習が意味のある練習。
今日も適当に弾いて終わりだった〜
がっかりする必要はありません。それは「音探し」という練習です。
答えはなかなか見つかりません。ピピっときたフレーズを何度も聴き、弾いてみる。同じような曲を探し回り、聴き取り弾いてみる、の繰り返し。
センスは繰り返しで作られ、やがて自分のスタイルが完成されていきます。
この曲好き!このフレーズ弾いてみたい!
と思ったら、そこだけ一点集中。
これまでインプットの量が圧倒的に多かった人は、アウトプットも増やしましょう。それと、フラフラとネットを眺めてるだけの人は要注意です。

YouTubeやツイッターで演奏してる人を見てモチベーション上げてるよ。

モチベーションにはなるけど、観てるだけでは意味ないかな・・知識は体に染み込ませるのが第一!

確かに・・

練習した気分になってただけだったのかい(汗)
人の演奏を見て、いいなと思ったらすぐに真似してみましょう。
このブログは実践型にしていくので、音を出しながら学んでくださいね。
上手いも下手も人の演奏から学ぶ
わ〜かっこいい。
え、これダサいんじゃない?
その分かれ道は、一体何・・
goodな演奏だけでなく、それはちょっと・・と微妙な感じも載せていきます。
そして気に入った部分があったら、さらに掘り下げていつもの練習にプラスしてくださいね。
■ダサい演奏を載せる理由
自分がそう弾いていても、案外気がつかないものです。
人の演奏を見て我がふりを直そう。
人の振る舞いは自分をうつす鏡。
自分の演奏はイマイチなんだろうな・・
しかし思ってる以上にイケてない時があります。私はよく自分の演奏をビデオに撮ってるのですが、想像以上に良くないことがあります。

自分を見るのは恥ずかしいけど、効果あるならトライするしかないね!
マル秘情報・・この作業は面倒だし9割の人がやりません。差をつけるのなら録音して自分研究をしよう!
実践!かっこいい音を弾く
最初に、おなじみのメジャースケール(長音階)と、ペンタトニックスケールについて学んでみましょう。
メジャースケール(長音階)
Cのメジャースケール
(今回は、全音半音の説明は省きます)
おなじみのメジャースケールですね。
ペンタトニックスケール
メジャースケールの音階から、4音と7音を抜いたものがペンタトニック。
ペンタトニックでアドリブが弾けるという話をよく聞きます。
ロック、ブルース、Jpop、ファンク、ジャズなど、あらゆるジャンルで万能なぺンタトニックスケール。とても使用頻度が高いスケール。
ペンタトニックは一歩間違えると演歌調
ぺンタトニックスケールは、一歩間違えると演歌調になってしまうので注意が必要です。
例えばこんなふう・・
こんなに極端でなくとも、ところどころ演歌調になっていませんか?
日本人プレーヤーの悩みの種です。
これは仕方がありません。日本人のアイデンティティーですから。

じゃ、おしゃれなペンタってどんな感じ?

練習の仕方も知りたいな
おしゃれペンタトニックの例

実は私も演歌チックになるのが悩みの種でした。
どうしたらオシャレになるんだろう・・
ほぼペンタトニックで作られている曲を探して、たくさん聴きました。
有名なのは
- スタンドバイミー
- レットイットビー
など。
二つともシンプルで耳に残るメロディー。名曲中の名曲。
オシャレな曲は、素朴で余計なことをしてないんです。
Cペンタトニックを使って、適当に弾いてみました。
(うまく映らない場合、wifiを切りLTE4Gでご覧ください)
または音源のみ⬇️
演奏のポイントは?
- ペンタトニックを使ったメロディ
- コード進行
- シンコペーションやアンティシペーションのリズム
- スライド
(ペタトニック以外の音が入っても大丈夫)
そして、センスがいいと言われるような演奏ポイントのスライド。
次の章でみてみましょう。
小技のスライドを使おう
ペンタトニックがどのような音階なのかわかったところで、「スライド」というメチャ効果的な技法を紹介します。

スライドがうまく弾けるとセンスがいいなと感じます。

スライドって何?
ギタリストがよく使う、弦をすべらせて弾く手法です。
ピアノで弾いてもかっこいい。
Cペンタトニックでスライドで適当に弾いてみると、こんな感じに。
音源のみ→ペンタスライド
いわゆる装飾音ですね。しかしクラシックと弾き方は違います。粒がそろっているとか、軽やかさとも違うような。
まるで歌っているかのように。説明がむずかしいのですが、いろんなアーティストの弾き方を聞くのが一番です。

力が入りすぎると、ぎこちなくなるので、加減が必要。
曲中、どこで使うかでオシャレ度が違ってきます。それを瞬時に選ぶのが難しく楽しい。

スライド奏法を入れながらペンタトニック練習!
Feel like makin’ loveのコードでアドリブ練習
ジャズスタンダード黒本1に載ってる 「Feel like makin’ love」 アメリカ西海岸を思わせるシブかっこいいナンバーです。
まずは ボブジェームスが弾く「Feel like makin’ love」
続いてBobby Lyle (ソウル・スムースジャズが中心。アメリカのジャズピアニスト)
主張してないのに、なぜか存在感バッチリです。
空気に溶け込んで、「俺が一番だぜ」などとは、絶対に思っていない。
そんな演奏がとても好きです。
Feel in makin’ love、冒頭2小節のコードを練習してみましょう。
Fm(2)➡️ B♭7(5)➡️ E♭M7(1)

この進行は、E♭keyの2−5−1。気づきましたか?
音のみ⬇️
トゥ・ファイブ・ワンの進行はぜひ覚えてくださいね。
練習、練習。。あ〜拷問・・
それでは一週間で気持ちが折れてしまいます。
全Keyのトゥファイブについて話すと、話題がモリモリになってしまうので、いつかのブログでまとめます。
今日は、E♭の2−5−1を覚えてください。

皆さんの心が折れないように、今風の気だるい16ビートを用意しました。このリズムに合わせて弾いてみましょう!
その前にE♭Key、スケールと2−5−1進行を確認。
■ E♭のメジャースケール
Fm(2)➡️ B♭7(5)➡️ E♭M7(1)
16ビートでトゥファイブワン

2−5−1をリズムに合わせてくりかえし弾く練習です。
Fm(2)➡️ B♭7(5)➡️ E♭M7(1)
オーガニックな16ビートにチリチリ感、効果的に無線の声を入れました。誰かいる?とびっくりしないでね。
■ 練習用16ビート/カウント4つ
■練習例
ひたすら2−5−1練習や、E♭のペンタトニックを弾いてみたり。

2−5−1ができたらこの練習メニューもどうぞ。
■ 練習メニュー
- ぺンタトニックスケール内のメロディを弾く
- 1オクターブ内でメロディを作る
- スライドする
- 左手2−5−1完全に覚える
雰囲気良く、そして気持ちよく弾けてきましたか?

黙々と練習するのもいいけど、エレピなどの音源や、渋めのリズムに合わせたりするのも、効果的な練習法です。
それと大切なことは、
- ペンタトニックでメロディ
- シンコペーション&アンティシペーション意識
- 右手は1オクターブ内で練習

なぜオクターブ内で練習するの?
つい広く動かすことにフォーカスしてしまう右手のアドリブですが、1オクターブのみに設定すると、いい音を見つけることに集中できるから。
■応用例
練習メニューを制覇したら、さらに色々組み合わせてみる。その時、動かしすぎずに空間を楽しみましょう。
まとめ

ブラック系のかっこいいコードと練習法、ちょっとした技を紹介しました。うまくフィーリングは掴めましたか?
無理やりスケールやコードを当てはめることではなく、
曲のテンポ感、コード感、オシャレなリズムを感じ、その空気に溶け込めたら最高です。
最初は、「ペンタトニック」で弾いてみて、というと必ず取ってつけた音楽になってしまい、私たちのアイデンティティである、日本調になりがちです。
何度弾いても、日本調・・がっかり。
私自身、いまだに自分のピアノにがっかりすることが多々あります(笑)
今回は、小技の「スライド」。
使用頻度がとても高い万能スケール「ペンタトニックスケール」についてでした。
この二つがうまく使えると、今まで味気なかったアドリブが変わっていくと思います。
ぜひ他の曲でも、ペンタトニックでアドリブ練習をしてみてください。アドリブはまだまだ・・という人は、「メロディフェイク」の練習をおすすめしています。
「メロディフェイク」について⬇️
【ブラック系おすすめ曲】
- Sunny
- Isn’t she lovely?
など。
この2曲は黒本2に入ってます。
センスは1年やそこらで身につくものではないけれど・・
耳をよく澄まして、大好きな曲を何度も聴き、練習してみてくださいね。
ここを訪問してくれた皆さんと、私が発信した音楽観はピタッと合いましたか?
もしも、「わ〜こんなふうに弾いてみたいな」や「まさに、こんな人の音楽を聴いてみたかった!」と思ってくれた人は、また遊びにきてください。
もちろん、「こんな練習方法があるんだ」と新発見した人や、色々しんどくて落ちちゃってる人も、一緒にジャズを楽しみましょう。
反対に「う〜ん、ちょっと合わないな・・」もちろんそう感じた人もいると思います。
いろんな音楽を聴き、いろんな人の演奏を観て一周ぐるっと回ったらまたお会いしましょう!
ブックマークやフォローもしてくれたら嬉しいです。メッセージもお待ちしています。「弾いてみたよ!難しかった〜」など一言は、ブログ執筆の参考になります!

また、音楽制作もしているのでよろしければ聴いてみてください。
最後までありがとうございました。