■前半〜「継続苦手」を克服する方法
■後半〜実践・・クロマティック(半音階)を使って弾くジャズのアドリブ
すぐに練習したい人は後半の実践までスキップしてください。
■練習したいのは山々。だけどうまく続けられない。そんな人に向けてちょっとしたコツを紹介。
■ふだんの基礎技術で、ジャズのアドリブを弾く練習法。
スケールを覚えたけど、どうアドリブに取り入れて良いのかわからない人、必読。
なぜ「継続」について取り上げたのか?

一つのスケールを覚えるまでに時間がかかります。覚えたスケールを使ってフレーズを作るジャズ。自然に弾けるまで、練習を続けることが大切です。
残念ながら一瞬で弾ける特効薬はありません。
それで、「練習を継続するコツ」も合わせてお話しすることにしました。
じっくり取り組まなくてはいけないことをわかっていながらも、練習が続けられない人や、すぐに気が散って別のことに関心が移ってしまう人に役立つお話しです。
基礎である半音を体に馴染ませ、カッコよくアドリブの練習をしてみましょう。
継続が苦手な人へのアドバイス5選
マルチタスクは危険
誰もが継続は大切なのは承知です。
しかし、なぜ多くの人が中途半端だったり、途中でやめてしまうのでしょうか。
そういう私も今まで何度か、ピアノから離れています。
実はモチベーションが落ちて、ピアノの練習がはかどらない・・という人が、とてもとても多いんです。
私も経験済みなので、その頃を思い出してみました。うまくできない、楽しくない、飽きてしまった。といういずれも単純な理由だったかな。
その頃の自分を詳しく自己分析。
- 基礎力がない
- マルチタスクをしていた
マルチタスクは、一見カッコよく聞こえますが、ミッションを果たせなかった場合、「自己責任」というダメージが非常に大きくなり、継続することが難しくなります。
マルチタスク
⬇️
結果が出ない
⬇️
練習のモチベーション低下
⬇️
楽で簡単を選ぶ
⬇️
身にならない練習を続けることになる
毎日同じ服を着ていたマークザッカーバーグ、スティーブ・ジョブズ、アインシュタイン、オバマ。
同じ服を着ている理由は、
- 時間が無駄になる
- 他にも決断することがある
- その後の決断精度が落ちる
決断の数を減らすことで、今していること精度を徹底して上げる。
共通項は、「選択肢を少なくする」です。

一定期間、練習メニューを一択化することをおススメします。
マルチタスクは、脳をごちゃ混ぜの状態にします。
その結果、焦点を失い、絶えず刺激を欲しがるようになります。
精神的ダメージを受けやすい人の練習法
ネガティブマインドでは前に進みません。すぐに暗い気持ちになってしまう人はどのようにすれば前進できるのでしょうか?
私からのアドバイス。
- 自分と同じまたは、ちょっとだけ上手い仲間を作る
- レッスンを受ける
- 期待値を下げる
■仲間を見つける
今はとても便利な時代。SNSでいくらでも仲間を見つけられます。勇気があれば声をかけてみるのも良いでしょう。
ただし、みんなの活躍している姿を負担に思う人は、見ない方が良いです。
■レッスンを受ける
自分で練習するだけでは限界があります。
今の講師は、とてもマインドが明るいです。昔のようにヒステリーな人は激減してるので、少々失敗しても楽しく続けられると思います。
■期待値を下げる
パーフェクトでなくては気持ちが悪い人は、好スタートを切ったにもかかわらず、息切れしまう人が多いです。
60点でOK、など完璧を目指さない、残りの40点は練習していく中で修正していきましょう。
■ジャズフロムノースを見る(笑)
凡人の私は、音楽をやるために生まれてきたわけではありません。
お母さんと先生に怒られ、ある時は無駄なことをし、音楽が大嫌いになってピアノから離れ、また戻り、いろんな経験をし、今では音楽なしでは生きていけない人間になりました。
その中で出会った特に必要なこと、経験した中で「これやらなきゃ前に進めないよ」という事項を伝えています。
何年も頑張っているのに成果が出ない人は、ぜひこのブログが参考になればいいなと思います。
継続の重要性
バレエを1年やった人と10年やった人は、技術だけではなく、体型、顔、姿勢、表情など、明かに見た目や、生活環境が違います。
これは10年続けた結果です。継続しなくては成長が止まります。バレエをやめたのに、勝手に技術が向上していくことはありません。
もちろん、私を例にとっても同じです。
このブログやレッスンで、弾いてみせたり詳細を言えたり、質問に答えられるのは、継続してきたから。
たまたま出来ていることではありません。

弾くだけでなく、以下のことにもピンときます。
- 生徒さんが何で困っているのか?
- 練習がすすまない理由は何か?
- がっかりする事でもあったのかな?
弾いて見せたり、言葉で説明したり、その人がしたいことを想像して練習法を紹介したり。
それは私自身が練習してきたこと、経験してきたことの合計。
継続してきた結果です。
皆さんも今練習していることを、徹底的に掘りさげ、呼吸するのと同じくらいに自然に弾けるよう目指しましょう。
生活環境を整える
皆さん、ピアノやキーボードはどこに置いていますか?
家族がいたり、特に小さば子供がいるおうちは、自然とピアノは奥の部屋に置くことになります。
またピアノを置いてる部屋が極寒の場合、ピアノ練習は冬季休業です。このような状態では、練習がはかどりません。

私の場合、レッスン室のほか、自分の稼働範囲にキーボードを置いていつでも弾けるセッティングにしています。
私は仕事なので、強制的とも言える配置ですが。
曲作りのための、素材フレーズが浮かんだらすぐに弾けるように床にキーボードを置いています。そしてすぐスマホに録音。
最初面倒だったのが今では当たり前になりました。
- 朝10時までにレッスン室に入り、お昼までに1曲作る。週2曲は完成する。
- 午後はレッスン。
- 土曜の夜はセッションに参加。
- 週1のジムの帰りは蔦屋書店で2時間ほどブログ執筆、残りは夜。(家は何かと誘惑が多いので)
これがルーティン。今ではすっかり習慣になりました。仮に予定外の雑用でスケジュール通りにいかなくても60点取れたら合格です。
夜はほとんど、日中できなかったブログ、曲制作をしています。ライブや発表会で演奏する場合は、隙間に練習。(労働時間は社畜より多い笑)
会社員、学生、主婦。みんなそれぞれの肩書きの中で、ピアノの練習時間をどこに入れる?
自然にピアノ練習ができるように、メンタル面と環境を整えましょう。
メンタルと環境が整ったらとにかく続ける
くじけてもいいから、とにかく立ち止まらない。波に乗ったら走り続ける。そこから見えてくるのは「質」。
継続していかなくては、質が上がりません。質のお話については、今度のブログでお話しするのでお待ちください。
半音階で弾くジャズアドリブ
今回は半音階でジャズのアドリブ練習法をお伝えします。練習例の動画を載せたので、どう練習して良いのかわからない人はみてくださいね。
(ビデオが途切れる場合、wifiを切りLTE4Gでご覧ください)
半音階とは?
隣り合う音が全て半音で成立している音階です。
ピアノを始めたばかりの子供も練習します。
指番号はスムーズにいくかな?
(小1女子、ピアノ歴2年目)
クラシック奏者がスケールの練習をするのと同じで、ジャズ奏者も様々なスケールを練習します。
イオニアン、リディアン、ミクソリディアン・・・など。
ジャズでアドリブを弾く時にも、クロマティックスケールは頻繁に出てきます。軽やかに上下の動きが出来たら、カッコよくアドリブが決まりますね。
今回の実践はクラシック奏者とジャズ奏者、どちらのプレイヤーも練習する半音階(クロマティックスケール)

半音階(クロマティック)でジャズのアドリブ練習をしてみよう
【基本】クロマティックスケールの練習法

基本、あらゆるフレーズやコードにも合わせられるので、万能さはピカイチです!ぜひ弾けるようにしてください。
とにかく狭いインターバルで移動しなければならないクロマティック。滑らかで繊細にフレーズを弾かなければなりません。
お手持ちのハノン的な教則本などを参考に、運指の練習をしてください。または、このように短縮してもOK。
■練習例
メトロノームに合わせる。ユニゾンの場合、左手が遅れてしまうので、その辺をよく聴いて練習。
【応用①】裏拍で半音階
でこぼこにならずに、滑らかに弾けたら裏拍メトロノームに合わせましょう。
BPM50〜60で裏拍。これがなかなか難しい・・けど頑張って。
「ドからドまで。何オクターブ」のように決めずに、上下、好きに動いてください。開始音はどこからでもOK。自由度を高くする練習です。
【応用②】枯れ葉のコードで半音階
ジャズスタンダードの「枯れ葉」という曲に合わせてクロマティックスケールで弾くアドリブ練習方法をいくつか紹介します。
その前に「枯れ葉」はこんな曲。
ピアニストはケニーバロン。
レッドガーランド。
トミーフラナガン。
皆さんもお気に入りの枯葉を見つけてくださいね。
■まずはコード進行を確認。コードが弾けなくては。全音符で伸ばしてOK。
(前半のみ)
練習例
次は。
■右手のクロマティックとコードを合わせて練習。メトロノームは裏拍です。
【応用③】半音階+3連ぷでアドリブ練習
クロマティックと枯れ葉のコードだけでも、Jazzyな雰囲気ですね。
ここではプラス、3連を足してさらに雰囲気アップ。けっこうむずかしいので、練習が必要です。
好きな音からクロマティックで弾く。そしてタイミングを見て3連ぷを入れてみる。
瞬時に切り替える練習をしてみてください。
■クロマティックと3連ぷ
クロマティックスケールに加えて、所々3連ぷをからめてみました。
だいぶアドリブの感じです。練習してみてください。
あなたのジャズはノリノリになってない?
錦鯉の「ノリノリ!ノリノリ!」になってしまわないように(笑)
この方達の「ノリ」は大正解なのですが、ジャズであのノリをやってしまうとおかしなことになります。
クラシック、ポピュラー音楽などのJPOP。またはエレクトーンで弾くジャズ。吹奏楽出身のジャズ。
ジャズに出会い、いざ始めてみると独特な「ジャズのノリ」が出来ない・・
大きな壁にぶち当たります。もちろん私もです。いまだに冴えないこともあります。
鍵盤奏者によくみられる、ノリノリ!のジャズ。ついこんな感じで弾いていませんか?
ジャズの感じ?・・・う〜ん微妙・・
しかし音の並びはいいと思いせんか?
でもなんか変・・何が変なの?
2、4拍という裏拍の感覚が日本人にはないため、つい頭拍で数えてしまいます。
そうすると、このように思いきりふ点のリズムになってしまうわけです。
せっかく入れた左手のバッキングは、ほぼ1、3拍目の頭で入ってますね。
こういうことが、「ノリノリ」になってしまう原因です。
いろんなことを勉強しても、やはりジャズのノリは難しいところ。

ジャズをたくさん聴いて、ノリを研究してみよう
思考が広がりすぎな人の特徴
今練習している課題と、違うことを始めたくなる。皆さんはどうでしょうか?
結構多いです。私もたまにあります・・
結論を言うと、せっかく練習したことが表面的になり、深く落とし込むことが出来ないという結果になります。
〜たとえ話〜(フィクションです)
100メートル走でのスタートダッシュの練習しているとして。
■1ヶ月間の練習メニュー
- 体重移動の仕方
- 視線は何m先?
- スタートの瞬間、ふらつかない練習
この練習に対して・・

今練習している内容とは180度、別のことを考えたり、
広くしすぎてしまう。
「走る練習」で間違いないのですが、範囲を広くしすぎたりしてはいませんか?
せっかく今やっていることが、深くなりません。
このような考えグセがある人は、次の章をヒントにしてください。
一点集中だけど、関連づけている練習法
クロマティック、一点集中の練習!
と言っています。が、「クロマティックのみを練習してね、他のことはしなくていいからね」という意味ではありません。
関連づいたメニューを設定してます。
クロマティックスケールを軸に
- 裏拍
- 三連符
- コードとの兼ね合い
という内容。
必ずつながるポイントでお話ししてます。
一択化と言ってますが、クロマティックを軸に重要事項を学べる設定です。
しかし、自分であれもこれもと考えを広げるとすると、体も頭も追いついていかなくなり、ギブアップという結果になります。
生活スタイル、使える時間、目的。
それぞれが違うので練習方法はこれ、と設定するのは難しいのですが、練習の仕方に問題がある人が一定数いるのは確かです。
練習するのなら【内容が濃い練習】を目指しましょう。
■メイン
■サブ
練習メニューはこれで十分。
今回の練習ならば、
- クロマティックでアドリブ➡️メイン
- クロマティック+3連ぷでアドリブ➡️サブ
いつも意識することは、
- メトロノームを使う
- コードをきちんと弾く
たくさんのカテゴリーを持つことは大事なのですが、追いつかない人も多いです。せっかく良いことをしてるのにもったいないな、と感じることがあります。
ということで、この辺で終わりにしたいと思います。
継続方法、練習のコツ、半音階でジャズのアドリブ、といった内容でした。
皆さんのお役に立てると嬉しいです。わからないこと、質問してみたいことがありましたら、気軽に送ってください。
今さらこんなことを聞いても良いのだろうか?という内容でも問題ありません。
本気の質問も、もちろんOK。細かい質問は、このブログで解説したいと思います。

ジャズを始めようかな?という人向け。

ダサいジャズから抜け出そう。

ps
最近おもしろそう!と思ったこと。「メタバース」
仮想空間の中でピアノライブが出来る。仮想空間の部屋でライブをするなんて夢のようだけど、夢じゃなくなるかも。
もちろん、異次元とはいえ根本的に音楽を知っていることが前提です。
世界に発信することになるから、グローバルな音楽性を持ち合わせていないとね。