いつもジャズのアドリブと奮闘している人、ネオソウルやLo-Fiの弾き方を研究してる人、即興演奏を練習をしている人は、少し手を休めて「そもそも曲ってどう作られているのだろう」ということについて一緒に考えていきましょう。
さらにオリジナルを作ってみたい人、現在格闘してる人たちへ、ちょっとしたコツを私からお伝えしたいと思います。
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いよいよクリエイティブな人が活躍する時代がきました。音楽はクリエイブな力を発揮する代表。そしてピアノは弾くだけのものではなく、考え、イメージを作ったり、そこに感情を乗せて音楽を作っていく。
そうやって楽しみ、誰かと共有していくとさらに世界が広がっていくと思います。それには、いかにも先生のコピーという音楽ではなく、自分がどう演奏したいのか。日々考えていくことが大切です。
去年の最後のブログで、「五感が大事」という話をしました。結局は、音楽をする人には「感じる心」が必要なのです。
なので、日々の暮らしが忙しい人も、波の音を聞きに出かけてみたり、木々の揺れる音を感じてみたり、美味しいものをゆっくり食べたり、甘い香りがいっぱいのケーキ屋さんでお気に入りのケーキを買ってみたり。
もちろん、良い音楽に出会うこと。生の音楽を聴くことが一番。今年はたくさん、コンサートに出かけてくださいね。そして体ごと震えてください。
レッスンを受けるより、練習するより、生のステージを観ることがメチャクチャ大事です。
理由は「感動」の数値がとても大きいからです。あんなふうに演奏するには、こうすればいいというヒントが得られ、向かっていくルートが見えることでしょう。
音楽制作はAIと共有
AIが曲を作ってくれるのなら、作曲の勉強をしても意味がない・・そう思う人もいるかもしれません。フレーズやコード、ベースなど、かなり考えてくれているのもあるし、反対にちょっと使えないな。。というのもあります。
結構昔からソフトがありましたが、笑ってしまうような音源も多いです。もちろんお金を出してでも欲しい音源もたくさんあります。
今はかっこいいプラグインが(プログラムされているもの)たくさん売ってるので、無限に音楽を作ることができます。
しかし気をつけたいのは、あっちもこっちもプラグインで、自分では少ししか弾いていないというミュージシャンがかなりいます。
同時に、初心者が手を出せなかった音楽制作がカッコよく作れるツールが登場したという考えもできます。
しかし、ピアニスト(アマチュア含む)ならば、微妙な感情の揺れ、テンポ感、倍音の響き。これらを自分の気分とテクニックで表現したくなるのが本望。
それは大量生産ができないものであり、比較もされない。全くの自分の世界観で作り上げるもの。
私自身、テーマやフレーズ、和音などの素材は全て自分のアイディアで作り演奏しています。そしてピアノ演奏はもちろんリアルタイムで録音。パーカッションやリズムも手で打ち込んでます。しかしAIに大活躍してもらってます。
仕上げのマスタリング。音量のバランスを綺麗にしてくれます。
音楽制作で私が使っているツールを紹介。
Logic Pro (DAW)
音楽制作用のソフトです。ここに演奏したものを記録していきます。
IvoryⅡ〜ピアノ音源ソフト
ピアノはスタインウェイ、教会、コンサートホール、スタジオなどで録音したような効果音になります。
Ozone9~ 音量やバランスを調整してくれる仕上げ屋さん。
AI機能がついていて、毎度良い仕事してくれています。10秒で完了。最終的に私が手動でチェック。
Vinyl ~ 傷がついたような音、劣化、チリチリした古い音にしてくれるソフト。
ネオソウルや、Lo-FIの音楽を作るときに使用してます。上の3つは有料ですがVinylは無料。
これらが、が主に使用しているソフトです。値段は時々変わるのですが3〜5万くらいです。
生のピアノは良いですが、世界中のアーティストがテクノロジーを使った音楽を作っているので、今後は意識しておいてください。とはいえ先ほども言いましたが、あっちもこっちも出来物を使うのではなく、センスよく使いこなす技が必要です。そして聴く耳も同時に育てていきましょう。
忘れてはいけなのは、リアルに演奏できる人はやっぱり最強ということです。
「倍音の響き」はネオソウルに多いです。
イメージすることから始める
PCや横文字が苦手でついていけそうにない。そう思った方もいると思います。私も最初は全くわからず、四苦八苦しました。1ヶ月悩んで解決しなかったことが、わかる人にやってもらったら秒で解決。。ということが多々ありました。
私はやりたいこと、どんな音楽を作るのか。自分はこうなりたい。ということを全てイメージしていたので、未来の自分に引っ張られながらここまできました。
しかし思うようにならず、もやもやしたり、自分の実力のなさにがっかりすることも多かったです。
他人は私のことをとても自由にやっているように見えるかもしれませんが、結構先のことを考えて仕事をしています。
飲食、教育、IT、医療、自動車などあらゆる業界が猛スピードで変わっていきそうですね。もちろん、芸術系も変化。いろんな職業をヒントにしながら、音楽業界を静かにみてきました。
少し前までは、コネクションがある人や、インフルエンサー、強いプロデューサーがついている人など、特別な人しかアーティストになれなかったのに対し、今や、みんながクリエイターになれるチャンスを持っています。
何を表現していくのかは自分次第。
ちなみに、ピアノの先生は、生徒のメンタル面のアドバイスを上手にできる人だけが、生き残っていけるでしょう(学校や塾の先生も同じ)。情報過多の中で練習がうまくいかない。コミュニケーション不足から言葉でうまく伝えられなくて悩んでいる。質の悪い音楽があふれて、音楽表現力が乏しいなど。
ここに挙げたのは現実の話で、演奏レベルも正直低いです。加えてメンタルも落ちてきて、空回りしている人が目立ちます。
なので、ただ教えているだけでは仕事になりません。どうすればモチベーションを上げるお手伝いが出来るのか?解決に導いてくれる人、人の気持ちがわかる人は、この時代の変化に追いついていくことができると思います。
そして数年後、メタバースの空間でレッスンやライブをしたりということもあるでしょう。自分で音楽や映像を作ったり、それが仕事なります。
なので言いたいことは、この先音楽をやる人の必要条件は、(アマチュアからプロまで)
「感性」を高めること。
言葉でいうのは難しいのですが、相手を理解して思いやったり、言葉をかけてあげたり、心配したり、心を持つこと。
そしていろんな経験をして、楽しいことを想像したり、ものを作ってみたり、本や映画を見て未来を想像したりすることも大事。
当たり前ですが「人間になること」ですね。
どんなにテクノロジーのおかげで便利になり、音楽が進化しても人間が持っている「感情や心」が恋しくなる。
人の心が感じられる演奏が大いに求められることでしょう。
魅力的な曲を作る秘訣
「魅力的」とは、自称でOKです。大抵のクリエイターは、自分が一番と思ってるし、これは自分にしか出来ない、というこだわりを持っています。
しかし曲を作る時に生まれる気持ちは、「大曲を作ってやるぞ!」という希望。そしてほとんどの人が挫折をします。自分が持っている力の4割で大丈夫。
さっそく作曲のステップを紹介します。これらのステップは自由に変更してかまいません。はじめての作曲では、シンプルな楽曲を制作しましょう。
- アイディアを集める
- イメージする
- 構成を決める。
- (例えば、イントロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→アウトロなど)
- いくつかフレーズの候補をあげる。
- コードを(和音進行)決める。
- 素材をつなげる
- 構成に当てはめる
- レコーディング
- マスタリング
- ビデオ、効果音などプラス
いきなり作り始めるのはなく、ステップを踏んで作ってみてください。大曲は挫折の原因になるので、小曲でOK。
これが魅力的な(自称)曲を作るポイントです。
簡単なテーマで組曲を作ってみる
例として一曲作ってみました。私がおすすめしているのは、大きなタイトル→小さな曲をいくつかを作る「組曲」です。
これなら、構成で迷うことがありません。実はほとんどの人が構成で失敗してしまいます。頭でっかち、字余り(フレーズ余り)、伝えたいことがよくわからない支離滅裂な曲。なので、まずは小さな曲をいくつか作ってみてください。
今回作った曲「Seasons」
Spring〜Summer〜Autumn〜Winter

Spring〜 爽やかな雰囲気
テーマと少しだけですが続きを楽譜にしました。最後まで知りたい方は音源を聴いて見てください。
テーマ
続き
Summer〜夏祭りを連想するようなオリエンタルな雰囲気
テーマ
続き
AmからDmには行かず、Dにすることで不思議は調性になります。
Autumn~メランコリックな季節をイメージ
テーマ
続き
■ 低音の動きはよく聞くラインです。「クリシェ」といいます。右手はほぼ同じ。変えたのは後半の音域を高くしたところ。
Winter 〜 テーマなしで好きな音を並べる
フラット系の音を散りばめ、拍子感をなくし、雪が降っている様子をあらわしました。好きに弾いていると自分好みの音(音域)やハーモニーが見つかるかもしれません。
まとめ・組曲 Seasonsについて
テーマを利用したイントロ、アウトロなしのAのみ。Bには展開せずコンパクトに。
見てほしいのは、音かずの少なさで雰囲気を伝えようとしている部分。ハーモニーは、その辺にあるコード進行です。クリシェは古い時代から使われています。
イントロ→テーマ→盛り上がり→テーマ→アウトロで終わり、というのがベーシックな作り方です。これが苦手な人はまず短いテーマ(2小節程度のモチーフ)を作り、2つくらいのコード進行で曲作りをしてみてください。
今回は音数を少なくしながらも、インパクトのある雰囲気にまとめました。
好みは色々あるでしょうから、この曲を退屈と思う人もいるかもしれませんが、制作工程の参考にしてください。
ぜひご自身が気に入っているフレーズやコード進行を、お気に入りのアーティストから拝借して制作してください。
ビジネスパーソンの常識ワード、
「TTP」徹底的にパクる。
自分だけの知識で完成するのはむずかしいです。先人たちのアイディアを真似て、音楽ってこうなっていたのかと実感すること。それをアレンジしてみる。そこから自分だけのアイディアが湧いてくるようになります。
ピカソが言った言葉。
優秀な芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む
おまけ・動画にすることでさらにイメージを深く
ここまでの工程を続けられる自信がある人もない人も、「コンテンツづくり」を意識すると良いです。誰に見せるわけでなく自分だけの作品をコレクションするのも良いし、SNSでアップするのも良いと思います。
同じ趣味の人、応援してくれる人、関心がない人、人の曲なんか聞いてられるかと思う人、いろんな人がいると同時にいろんな反応が返ってきます。
なので心身ともに痛みを感じる瞬間もあると思いますが、強い心とメンターが頼り。
相談できる先生や仲間を見つけておくと良いです。全ては自分を磨くためのチャンス。
いざ自分が作ってみるとアーティストってすごいんだなと振り返るきっかけにもなるし、何度も聞いてさらに曲の解釈をし直してみよう、など思うこともありますね。
みんなにチャンスがあるとはいえ、完成して聞かせられる曲ができるまでは多くのことを学ばなければなりません。
ここで曲が完成したとして、自分の曲に動画を入れたり、効果音をプラスしてみるのも一つのアイディア。自分で写真を撮りに出掛けてみるのも楽しみですね。
私は自分で写真を撮って動画に入れることもありますが、良いのが撮れなければフリー素材を使っています。
・ピクサベイ
・ぱくたそ
・写真AC etc.
そして編集ソフトは、
ダビンチリゾルブ(無料版)
なかなか使いこなせなくて、今は無料版で十分。
タイトル文字を入れず、映像と音楽だけという人は操作が簡単な imovieで良いと思います。
ここまで来たら気分はクリエイター。どんな作品を作るのか、イメージするのか、メロディーは?そして思い通りの映像を撮りに遠くに出掛けてみる。
ふだん見ない景色や、色、音、食べ物、人、色々観察して五感を磨いてください。
自分がイメージしたことを形にしたいという欲求は、誰もが持っているんだと思います。言われたことを頭で理解して家で練習しての繰り返し。
それではいつか飽きてしまい、やっている理由がわからなくなります。
そうは言っても物事を理論的に考えるから想像する習慣がない。。という人も多くそれが悩みという人もいます。
そういう人は読書がいいです。そしてゆっくり読んでみてください。いつものクセで良い情報、勉強になりそうなことを流すだけでなく、言葉の素晴らしさを味わいながら読んでいきましょう。
私は最近こんな本を読みました。おそらく女性が好む本です。でも男性もどうぞ。女性はこういう視点で物事をとらえるのかと発見するでしょう。感情や情景を言葉で表すのは女性の方が得意かもしれません。
きれいな色とことば / おおなり由子
色って言葉で表すとこうなんだ。すごく癒しの時間でした。
私はいろんなことを音楽で表現するけど、作家は言葉でいろんな単語やフレーズをつかって伝えるのですね。
自分の中にある気持ちを伝える手段があるって幸せ、と思いながら読んでいました。本当に素敵な本。他の作品も温かくて大好きです。
自分もこういう表現者になれたなと思ってます。
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