「適当にカッコよく弾く」とは?
今日は、「適当に弾く」がテーマです。私の憧れ。
テキトーという言葉が ??? の人もいるかもしれません。ちょっと抽象的ですが、適当という言葉自体が意味不明・・しかし、音楽(特にジャズ)は適当という言葉の使用頻度がかなり高いです。
クラシックが基盤となっている人にとっては、「適当」と言うワードは別次元。楽譜に「忠実に、正確に」が正しい理解です。適当に弾いたら、怒られますね。
でも私としては少し意義あり。
ネタバレですが、音楽界で「適当」という言葉は、洗練、熟知、経験、いい意味でのいい加減という意味。「適当っぽい」「なんかわからないけどカッコいい」。
頑張っていないのにいい感じの演奏をするには、どうしたら良いのでしょう。
今日は私なりに「適当」を考察してみました。このことについては教室や学校では誰も教えてくれません。私自身も日々、研究中です。
楽譜を見なくても弾けるのか?
自分の耳。手の動き。私自身、これを頼りにやってきました。
今でも自分の感覚的なことをとても大事にしていて、楽譜よりも耳を信頼しています。何より、目でみる楽譜よりも、聴こえた音に体が反応する。
初見練習の効果
音を正確に弾かなくては気が済まないという人は、初見が苦手では?
実は初見練習は、適当力を鍛えるのに効果的。
ここでちょっと休憩。読んでみてください。テーマはハロウィン。
ミスドのハロウインシリーズ。(「ミスタードーナツより引用」)
ミスド、お化けタウンシリーズ!!
ドーナツ好きのかれいいおばけが今年もなかよく勢ぞるい!
ピンクミイラ、
ミスド ジャックランタンピソク
まっしろフランケン、
まっくる チョコネコ
ポソ・デ・チョコデルビ
ミドスより引用
答え。
◯ピンク→❌ピソク
◯まっくろ→❌まっくる
◯ミスド→❌ミドスetc.
間違いだと知っていても、きちんと読めるし意味もわかる。なんだこれ?と思っても進めますね。初見演奏はまさにこんな感じ。
それとも・・??
チョコデルビって何???と、考え込んだ人はいますか?
テーマがハロウィンだし、デルビと読んだにしても、頭の中ではデビルと勝手に変換されますね。
何を言いたいのかというと、ある程度の物事を知っていれば、適当に弾いてもとりあえず曲が成り立ちます。
初見力で必要な力
カギはコード進行。
コード進行はパターン化しているので、ピンと来れば弾きやすい。譜面にコードネームがついていればもっと楽に弾けますね。なので、コード進行を覚えることはとても大事なのです。(ちなみに、コードがついていないと、見失う確率もアップし、何を弾いているのか自分でもわからなくなります)
二つ目のカギは読む力より、予測する力。
このメロディーやこのくらいの小節数だと、あの辺で転調するかな?など予測がつきます。(J-popはわかりやすい)ある程度、パターン化しているので、特に難しくはないです。音符が「一つ一つの音」や「ゴチャッとした和音」という意識だと、初見はうまくいきません。
とにかくその先を「予測」しながら、弾くこと。適当に弾いてみる勇気を持ってひこう。
いきなり両手弾きが常識
私は片手練習をあまりしたことがないんです。音を読みながら、ゆっくり一つずつ音を追っかけて弾いたことはありません。そんなやり方では憂鬱になってしまいます。
キチキチやるやり方は「潔癖」とでも言ったほうがいいのかな。
あまりに潔癖に取り組んできた人は、ジャズを弾くときに本当に困ってしまうようです。これからジャズを弾きたい人は、キチキチをやめて「ざっくり感」に慣れましょう。
それと、楽譜はチラ見程度にすること。聞こえた音を弾いてみたり、思い浮かんだ音を弾くことを練習メニューに加えてください。
楽譜はきちんと読めた方が良いのですが、(世の中では一般常識なのかな?私は譜読みに重点を置いてないので常識ではないです)大切なことは他にもたくさんあります。
たまには自分の中の常識を疑ってみて
今日はサラッと譜読み、来週は片手、再来週は両手。よくあるやり方ですが、たまには潔癖から離れて、雰囲気重視で思い切ってりょう手で弾いてみてはどうでしょうか?ざっくりと音よみをしたり、そこからイメージを沸かせることが大切だと思います。
その時、音の響き、タッチ、強弱を意識して、この曲をどう仕上げようかな?とイメージしながら練習することをお勧めします。
ただの譜読み、乱雑なメロディ、回数を決めてそれをクリアすればOK、こんな練習をしていませんか?
回数や時間に満足する練習より、まずは音楽。
曲が完成間近になり、どうしてもつまづいてしまう箇所があれば、部分練習をすれば良いことです。
こういう曲にしたいと思っている人の演奏は、情緒的。ミスはあまり関係がないです。ミスにこだわっていると、豊かさがなくなるんです。
私は完璧、清潔、よりかは、ミスがあってもいいからその人の音楽を聴きたい。本当に思っていることが伝わる演奏は、聴いていて心が動きます。楽曲のレベルは関係ありません。
ショパンのノクターンをC-durで弾いてみた (移調)
最後に実践。
ピアノを習っていたら誰もが弾いてみたい憧れの曲です。ピアノレスナーさん王道の曲。
今回はノクターンで「移調」をやってみました。移調とは、曲はそのままで高さを変えること。
ノクターンは変ホ長調をハ長調に移して。3度下です。
クラシックではあるけれど、少しだけジャズのコードを入れました。(2−5は必須)
[思い切りテンション使ったら、気持ち悪くなったのでクラシック寄りで]
もっと派手に、華麗になんて思っても、そこはじっと我慢であくまでシンプル。色々な気持ちが出てくると、混乱の渦に巻き込まれるでアレンジは最小限でOK。
移調で勉強できることは?
- 「考える」と「弾く」が同時にできるようになる→適当弾き→即興演奏などにも良い。
- 調性の独特な響きを味わえる
- スケールやカデンツが出来ているかの確認
ざっくりと、こんな感じでかなり上級な要素が勉強できます。
「適当」は、実はとても奥が深いです。もちろんそれなりの素材がなければ、適当とはメチャクチャという意味になってしまいます。ちょうど良い塩梅がわかり、足し算引き算が、ここぞというところでできる。
「いい加減がかっこいい」
余裕とも言える。
そうなるには?
初見や移調の練習など、少し上級の話でした。
ps 創造性の本質は、失敗を恐れないことだ〜エドウィン・ランド博士