自由に弾けって言われても・・クラシック出身ジャズ弾きの悩み

ジャズ

もっと「失敗作」みたいな音楽が出来ないかな?(日本人だから一応日本語は出来てるつもりですがヘンですか?)

整った音楽がつまらない。清楚すぎるひびきに感動をおぼえない。

ひととおりクラシック音楽を勉強してきたけど、なんとなくつまらなくなった時期があったんです。

 

いきなり質問しますがみなさんはジャズピアノ を弾くことが楽しいですか?

私はすごくすごく楽しいです。

ジャズを弾きたいと思う前はどんな曲を弾いていたかというと、ショパンの即興曲、シューマンの飛翔、バッハのイタリア協奏曲、ベートーベンやモーツアルトのソナタなんかを弾いていました。イタリア歌曲の伴奏もしていました。

バリッバリのクラシック生ですね。

今回伝えたいのは、クラシック出身でもジャズは出来る。

クラシックをずっとやってきて、ジャズピアノ を弾いてみたけどうまく弾けない。即興ってどうやるんだ?と悩んでいる人が大勢いると思います。

かくいう私がそうでしたから。

即興やコードなど、ちがう部分がありすぎて、途中で萎えちゃうこともあるのですが。

私は、現在ジャズはまだまだ修行中ですが、今ではジャンル不問で(最近はネオソウルやLo-Fiにまで手を出してしまった)いろいろなことが自由にできるようになりました。

そんなことをふまえて、このブログを読んでいただければと思います。

師匠のいうことが絶対正しい

当たり前のことですが、クラシックピアノを習っていた時はおんぶに抱っこ。おしえてもらったことをそのまま信じ、真っ直ぐに弾いてきた。

当然、レッスン生達は言われたとおりに弾き、うまくなっていきます。

ところが私の場合、ピアノがつまらないな、と思ったと同時に、こんなことを思い始めてしまったのです。

「言われたとおりに弾いてなにがおもしろい?」

「それのどこが魅力的なんだろう?」

ついには「自分はなぜピアノを弾いているんだろう?」

「このままやってて意味はあるのか?」

と解決不能な意味を問いただしてしまいました。

 

私はとりわけ、CDをたくさん聴いて育ってきたので。そう言えばこんな曲想つけてたなとピアニストが弾いていた通りに真似したものを先生に見せると、「なんでそんな気持ち悪い弾き方するの」「変なクセがつくからそれやめな」と一喝され。

このようなことがたくさんあり、もう嫌になっちゃったんですね。言われた通りに無理やり弾いて、それをどうしても美しいと思えなかったんです。

その時は、思考の幅もせまく、自分には実力がないということで落とし前をつけていました。

でも一つ問題が・・

ここまで続けたんだから、当然音楽の道に進むであろう、というまわりの期待。

期待に添うということは、自分が思う音楽をしないということ。これは自分にとって「大不正解」です。それでも期待に応えるのか。

本当に一生分悩みました。

失敗した作品みたいなのが好き。

あれ、今弾いたの、失敗した?それとも失敗したかのように見せかけたの?このあとどういうフレーズが出てくるんだろう。

そんな面白がって、ニコニコしながら弾いているジャズピアニストをみたらもうその時、絶対ジャズやりたい!と思ってました。

弾いている本人がワクワク。聴いている人も楽しそう。

しかも演奏中、演者と演者がしゃべっているよ。(何言ったんだろう・・)

クラシックとはまったく別ワールドの雰囲気は、悩んでいた自分に潤いをくれました。そして自分はもしかしたらこんなことをしてみたいんじゃないか。

と、うっすら思うようになり、音楽で人を楽しませたい。そのためにはまず自分が楽しむこと。

自分はきっと、こういう人になりたいんじゃないのか?から「こういう人になる」と決めた。

納得がいかないピアノの弾き方をしていた自分と、ここでさようならすることになりました。

 

と、ここから長い闘いが始まります。

クラシック出身の悩み

クラシックからはじめた人で途中からジャズを弾き始めた人にとっての切実な悩みはこれでじゃないかな。何もピアノだけじゃないと思いますが。

変なノリ。(ロック?なんだろ・・)

即興ができない。(演歌調っぽい)

コードがわからないし転回形がすぐに出来ない。(ボイシングのレベルじゃなくてまず左手の転回形が出てこない)

クラシック音楽とは事情が180度ちがっていて、楽譜なしでアドリブをすることや、左手のコードをパッと押さえられることに驚く。

そして私たちがさらに苦労するのは、リズム。

ジャズ独特のあれです・・

あれというのはSwingなんだけど、あれがよくわからない。

あれは一体どうやって感じるんだろう。

ジャズからはじめた人は音が読めないらしい

衝撃じゃないですか。音楽をやる人が音を読めないなんて。。

そしてジャズ出身は初見が出来ないらしい。最も音が読めなければ初見は出来ませんが。

クラシック側からすると、とても不思議じゃないですか、この話。

でもここで疑問。彼らは音が読めないのにコードが弾ける。テーマの音が読めなーいと言ってアドリブになると生き生きと弾き始める。

なんでしょう?これ。

この人たちと私は脳にあるスペックがちがうのかな、と、とにかく不思議だらけ。

どういう行動をすると、この人たちみたくなれるんだろう。そんなことばかり考えていました。

 

でもこっちにも強みがある。

クラシック出身は天才的なポジションにいるらしい初見の技。

音よみに関しては、玉がいっぱいの両手譜面をいっしゅんで弾くことが出来る初見能力は神業レベルだそうです。とにかく才能の魂だ。自信をもとう。

ジャズでは指番号とかどうでも良いらしい

演奏中、手のひらがひっくり返っちゃって弾いているジャズピアニストを何度かみたことがあります。アドリブは自分で作るから、指番号はどうでもいいという解釈で合ってますか?

ジャズではいちいち、ここの指はくぐって、超えてという練習しないよね。

ピアニストはアンサンブルが苦手なのでお手柔らかにお願いします

ジャズの皆さんをみて、一応リズムに乗っかって演奏しているつもりです。変なノリがあるし、特に、バッキングをする時は大きな音が鳴るかもしれません。

理由としては幼少の頃から、訓練をずっとしてきたんですね。ベートーベンなんかを弾く時には、体重を和音に乗せるイメージで弾くわけですよ。

ずっとそう教えられてきたし、それを良しとして弾いてきたので、なかなかクセが抜けないんです。

「なんかピアノのバッキングがうるさいんだよねー」

そう言われてるんですよね?よくわかっています。演奏形態にもよりますがアンサンブルになると、ピアノはリズム隊と言われるリズム楽器に変わる。気持ちよくのれるようにバッキング出来ればいいな。

最近こんなレッスン動画を作りました。下手な人というのは、過去の自分です。気づいた人ももちろん私。

クラシック出身はリズムをどうとらえていいのかわからず、苦労してます。

(なんで出来ないんだよーという気持ちで)

いつもいうんだけど、クラシックとジャズの違いはマラソンでいう長距離と短距離くらいちがうと思うんです。メンタルやフィジカルが別モノですよね。

とにかく聴こえたとおり真似して弾いたのが良かった

私の場合、ロジックではなく感覚でここまできました。いろんな人の真似してこんな感じかな、と。たくさんCDを聴いているうちに、スケールの音やテンションコードがわかるようになった。

でも人それぞれのやり方でいいと思います。努力ではどうにもならないことがあると思うし。

感覚、と言ってもよくわからない。

言語化や視覚化したもので理解した方が良い。

それぞれ、自分らしい学び方があるはず。

私はまったく頭では理解が出来なかったので、肌で学ぶやり方をしてきました。それでも試行錯誤はすごくしました。わからなくてまた試行錯誤の連続。今でもそうですが。

 

リズムの取り方、間の取り方、コードの押さえかた、バッキング(コンピング)とか。

録りためたものを聴くと、右手のアドリブにあまりこだわっていないような。

これは私自身の好みの話なのですが、「コードの並び」を聴かせたい派なのかなと。

それがアドリブの代わりです。両手でコードを押さえながらメロディー的に響かせるのが好き。

クラシック派だからわかる超えられないジャズの高い壁

私、よくわかるんですよね。正しく弾く。きちんと弾く。違った音は正しく直して次のレッスンで先生に見せる。強弱は書いてあるとおりにつける。

クラシックでのピアノレッスンはこれが当たり前で、ずっとそのやり方できて。先生の言う通りに弾いて、毎日決められた時間練習していればコンクールに行ける。

賞を取ったら、次はもう一つ上を狙いにさらに練習を積む。

これって間違っていないと思います。コンクールに行きたければ、師匠の言う通りに弾いてください。

ところが私のように、ピアノを弾く意味は何?美しく弾けって、それじゃ汚い音ってどんな音?それがその人の最高の表現かも知れないのに。

など余計なことを考えてしまったものだから、ややこしくなりました。

エゴが強く出てしまったのか。自分がいいと思ったピアニストの真似をしたら変だ、気持ち悪いと散々言われ、自分を否定されたと思ったんだとおもいます。

もちろん先生はそんなつもりで言った訳ではなかったと。今思うと、「美」の表現にすごくこだわっていた先生だったのかな。

そんなことが重なり、私にとってのワクワクはジャズじゃないか?(勘違いしてるかなと思ったけど)とジャズピアニストをみて思うようになりました。

一応、行動は早いので、ジャズの先生に習いましたが、もちろん一つも出来なかったです。

先生はいつも困り顔してた・・

ピアニストは横向き同士で顔は見えないけど勘でわかるんです。

とうとう悲しみに暮れ、いろんな教則本で練習したりしたけど、どれもしっくりこなかった。

結局先生の言ってることがだんだん宇宙語に聞こえてきたのでいったんやめました。

それでもジャズから全く離れたわけではなくて家で聴いたり練習もして。

あのガヤガヤした感じとか、人がおしゃべりした中での演奏とか、グラスがぶつかる音とかがやっぱり好き。だからCDを買う時はいつもライブ版で。

またジャズレッスンを絶対に受けるぞ、と思いながらたくさん聴きました。

 

今では、ジャズはめちゃくちゃ自由な分、感覚をつかむまで時間がかかるんだな、と納得しています。言われたことをすれば、答えが見つかるわけではない。

これがいいのか、どうなのかさえもわからない。

クラシックをずっと弾いてきた人にとって、「自由に弾く」ということが高い高い壁なのです。

もちろん、ジャズだってメソッドはあって自由といってもそうじゃない。

こちらも十分に練習が必要な世界です。うまく言えませんが。クラシックとジャズは自由度がちがうから・・

 

昔は、不足した自分が本当の自分だと思っていて、いつでも弱気だったけど。

今では、何かおもしろいことしたいな、と思った時には、すでにピアノに向かって好きなものを弾いています。

ただ、思ったことを自己表現してみたいという性分なのかもしれません。

こりもせず、SNSなんかに自分が作った曲をあげたりしてますが、見る人によって、ナルシスト?愚かだな、と思う人がいるかも知れませんが。

もうとっくの昔に、「こうであるのが音楽だ」というレールから降りてるんで。そんなことは気にしません。降りて見えた世界は、まるで友達の家にある「おもちゃ箱」。

この子の家にはどんなおもちゃがあるんだろう。自分が持っているおもちゃ箱だって別の人からすると、ワクワクするのかも知れません。

多分、音楽についてそのように感じてるんだと思います。

私の経験が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

ps ここをフォローしないとですね。冒頭で書いた「失敗作のような〜・・」というのは変な意味じゃないです。次何弾こう。。

という「間」が以前は失敗したかのように見えた。わかるようになった今ではあれが「いなせだな」と思うのです。

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