モチーフから作る即興演奏

即興/コード進行/グレード

「モチーフの即興演奏の仕方がよくわからない」「まとまりのない演奏になってしまう」「盛り上げ方がイマイチ」という人がとても多いです。

ヤマハグレード5級の試験科目になっている即興演奏。やり方は2小節だけ与えられ、続きは即興で作るというもの。

モチーフは即興で、一つの曲にまとめ上げる音楽力が必須です。

ただし即興だからといって、適当に作っていいわけではなく、曲の構成、コード進行、きれいなメロディーなど、全体を小品的に仕上げなければいけません。

今まで、よくわからなくて適当に弾いていた人、受験したけど不合格が続く人など、どう練習して良いのかわからない人など、少しでも参考になれば幸いです。もちろん、これから受験してみたい人もご覧ください。

 

Erika
Erika

今回は、どんなコード進行や、メロディーにすると小品的な曲ができるのか、楽譜と演奏付きで解説します。

どのレベルが合格ラインなのかも、参考にしてね

即興B(モチーフ)の演奏法

即興Bは2小節の続きを即興で演奏するやり方です。

【重要】

  • 構成力(まとめる力)
  • 旋律、和声が自然であること
  • モチーフをうまく使うこと

 

【構成】今回はソナタ的3部形式にまとめ。

提示(16小節)

展開  (8小節)  

再現 (16小節)

★小節数に決まりは無いがバランス良く。

Erika
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次の章ではソナタ的な3部形式で弾いてるので参考にしてください。

形式を意識すれば弾きやすいね

提示部の作り方

実践

モチーフ例題

(実際の出題は、3種類の中からひとつを選んで演奏します)

 

◉上のようなモチーフが出題された場合、2小節のモチーフをうまく使って即興演奏をします。

2小節の続きは我流で弾くと必ず失敗します。メロディーはもちろんですが、コード進行、伴奏形、低音の動きをよく考え、音楽を作りましょう。

 

 

Erika
Erika

いよいよ実践。どんなコード進行を使ったら良いのかわからない人が多いです。まずは、コード使いでどのように印象が変わるのか次の章で比較してください。

コード進行で印象がガラッと変わる4つの例を紹介!

単調すぎるコード付けはダメ

 

【コード進行に注目】

  • 単純すぎるコード進行例
  • ドッペルドミナントやⅥmを入れた例
  • 転調を入れた例
  • 歌謡形式にした例

 

最初に、良くない例を紹介します。

モチーフを使って【提示部 】8小節を弾いてみました。モチーフはうまく使われてますが、コードが単調すぎてよくない例です。ⅠとⅤ7だけでは平坦な感じですね。

 

Erika
Erika

和音進行が単純になってしまう人は和音の種類を覚えましょう。5級のレベルでは、転回形を自然に使えることが条件なので、合わせて転回形の練習も忘れずに。

 

例1】 提示部〜 冒頭8小節

◆ 参考音源

Erika
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このやり方は緊張感がまるでなく、次はどんなフレーズやハーモニーが来るのかな?とワクワク感がないですね。

聴いていて退屈・・

Erika
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ではどんな和音を使えば退屈から抜け出せるのか、次の章で解説します

ドッペルドミナントとⅥmの使用で変化

m(マイナー)系の和音や、ドッペドミナントを使うことで変化します。コード進行を工夫することで曲全体が変わりますね。

【例2】提示部〜冒頭8小節

例2では、

  • Ⅰ・Ⅳ・Ⅴの使用
  • Ⅵm(Am)の使用
  • 2段目7〜8小節目に「ドッペルドミナント」

 

◆ 参考音源

【補足】即興演奏A(16小節程度の変奏)ではドッペルドミナントを使った問題が出ます。即興Bでもこの進行が使えると幅が広がるので、ぜひ使えるようにしてください。(ドッペルドミナント〜副属7またはセカンダリードミナントとも言う)

 

Erika
Erika

この続きが聴きたくなりませんか?

転調やマイナーコードで曲を「飾り付け」してるから、続きも聴きたくなるね。

 

転調で変化

Erika
Erika

ここでは、一部分を転調させて緊張感を出しました。

【例3】提示部〜冒頭8小節

例3では、7、8小節目でト長調に転調古典の形式によくある転調です。ソナチネなどの作品を研究してみてください。どの部分で転調が行われているのか、よくわかると思います。

◆ 参考音源

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Erika
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ソナチネやソナタを参考に分析してみること。効果的な転調が使えると、古典スタイルをよく勉強しているという判定になります。

このパターンはソナチネによく出てくるね。

歌謡形式でハーモニーに特徴づけ

 

Erika
Erika

ポップスなど歌でよく使われるコード進行です。グレード要項には、自由形式でもOKと指示しているので、歌謡形式も弾けると創作の幅が広がります。

【例4】提示部〜冒頭8小節

例4では、歌謡形式にしてみました。和声に流れがあり、伴奏形や低音の動きもきれいです。和音のポジション移動が激しくならずに、上行下行をきれいに動くのがポイントです。

◆ 参考音源

コード進行は覚えるのが大変ですが、使えそうなものはストックしておき、反復練習をしてください。また転回形を弾く練習も必要です。

 

Erika
Erika

コード進行で退屈な印象を与えたり、華やかになったりもします。ここまではコード使いで曲が変わる例でした。

和音使いで、こんなに曲が変わるんだ〜

提示部から展開部のつなぎ方

 

Erika
Erika

ダラダラと同じようなコード。何部形式なのかわからないような構成・・弾いている本人も分からない??聴いている方はもっと分かりません。。

そんな状態を早く脱出したい!

次は提示部のまとめ➡️展開部へのつなぎの例

■ 提示部のA-A’

C7【借用和音】や、ここで提示部は一旦終わりという【終止形〜最後の4小節】を使っています。終止形で提示部を終わらせてみました。引き締まった感じに注目。

◆ 参考音源

A〜モチーフ(テーマ)を使って曲を作る

A’〜Aと似たモチーフ➡️終わり2〜4小節は終止形が良い。

 

Erika
Erika

終止形を使って提示は終わり。

展開部はどんな感じになるのかな?

Erika
Erika

展開部は伴奏を変え雰囲気を変えました。次の章を読んでね。

 

展開部から再現部の作り方

Erika
Erika

今度は【例2】の展開部です。展開部はサビの部分になるので、盛り上げると効果的です。伴奏形も変えてみました。

盛り上げ方は色々ですが、ここでは流れ重視と再現部に戻るきっかけとしてドッペルドミナントを使いました。盛り上がった後の引き締め効果大。

 

◆ 参考音源

 

展開部から再現部に行くためのコードやメロディーの工夫が必要です。

Erika
Erika

展開部の最後2小説はは、あえて伴奏を動かすのをやめ、休息。次の部にうつることを予感させます。

 

再現部はどう弾く?

Erika
Erika

再現部はモチーフ(テーマ)のメロディーを必ず持ってきてください。再現部に戻った時、モチーフだったメロディーをすっかり忘れて、我流でメロディーを弾く人がいます。

グチャグチャになってしまう原因!

 

提示→展開→再現の形式であれば、再現部でメロディーを出してあげるのが作法です。(多少メロディーが変化してもOKです)

 

ちなみに序奏(イントロ)と終結部(エンディング)は、グレードで弾く必要はありません。もちろん普段の練習では入れても良いですが、無理矢理作る必要はありません。

シンプルに提示➡️展開➡️再現で十分です(ソナタ的3部形式)

 

でははじめから終わりまで繋げて弾いてみました。

Erika
Erika

モチーフ(テーマ)の使い方、コード進行、部ごとの特徴に注目

➡️提示(16小節)

➡️展開  (8小節)  

➡️再現 (16小節)

 

◆ 参考音源

① 提示部

 

② 展開部

 

③再現部

ちゃんと部ごとに特徴があって、シンプルな3部形式になった!

Erika
Erika

再現部は提示の内容と同じでも良いのですが、「そろそろ終わりだよ」の雰囲気を出す場合、メロディーを上行させて音域を広げると効果的です。今回はソナタ的3部形式を例に演奏しました。

 

そのほか2部形式、ロンド形式でもOK

Erika
Erika

自分が弾きやすい形式で練習してください。いずれも小品的で音楽的に仕上げましょう。

ベートーベンやモーツアルトのソナタをイメージして弾こうとすると失敗・・

提示、展開、再現など難しい言葉が出てきましたが簡単に3部ととらえて大丈夫です。また借用和音や、ドッペルドミナントの用語を覚えるのも大切ですが、まずは鍵盤上で響きを楽しみましょう。

あくまで小曲をイメージ。A ーBーA’などシンプルな形式で。

  • テーマを提示のA
  • 盛り上がるB
  • テーマ再現のA’

練習を始めたばかりの人は、このようにスタイルを決めて練習

 

Erika
Erika

即興演奏は理論より、ひびき♬

 

忘れてないけない演奏作法

短いモチーフが与えられ、即興で演奏。普通はできることではありません。なのでプライドを持って取り組みましょう。いきなり弾けるようにはなりませんが、以下のことを積み上げていくと必ずできるようになります。

【練習のポイント】

  • コード進行の練習
  • スケール全調練習
  • 得意な形式で練習
  • 楽曲の分析
  • 数をこなすこと
  • 自分の即興演奏を録音して自己分析
Erika
Erika

ピアノが弾けるだけでは、受験レベルまで到達するのは非常に難しいです。グレードのためのレッスンを受けて準備をしてください。

5級のグレードでは、即興力のほか、総合的な音楽力が試されます。即興演奏をするときも、音楽的に弾くことです要項の中にもそう書いてあります。

 

 

Erika
Erika

楽曲演奏は大変素晴らしいのに対して、即興は適当に弾いてしまう人がとても目立ちます。これではいつになっても合格切符を手に入れることはできないでしょう。

 

音楽をたくさん聴くことも大切!

コード進行やスケールを練習するときでさえも、その調の美しさ、素朴さなどを感じながら弾いてください。このグレードレベルは、音楽の表現者です。表現者たるものは、決して技術力だけでピアノを弾くことはありません。

 

即興の教則本の「はじめに」の部分には、演奏時は乱雑に弾いたりしないよう注意を促しています。ちなみにどんなにシンプルで小品の曲だとしても音楽的に弾いて、とのこと。

音楽家として当然のことですね。

Erika
Erika

結局は、演奏力と表現力が試されるグレードです。即興演奏とはいえ自分の作った曲です。形式以外に、曲想をよく考えて弾いてくださいね。

ステキな音楽家を目指してがんばろう!

 

↓メロディーやコードが思いつかない人への「ヒントブログ」

◆ グレード参考ブログ

 

◆ コードから作る即興演奏(ポップス編)ほんの少しのアイディアがあれば大丈夫。

 

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